北風と太陽とセールス

マーケティング

こんな人に読んでほしい

  • プレゼンをしても相手に興味を持ってもらえない
  • とても良い商品、サービスの良さが伝わらない
  • 「売り込まないセールス」の意味がわからない

前半は最近あった酷いプレゼンへの愚痴なので読み飛ばしていただいても構いません笑。



史上最悪のプレゼン

とんでもないプレゼンを受けたので共有しつつ、この経験をマーケターとして、Vyondクリエイターとして、どう活かすべきかを綴ります。


資料を読み上げるだけの楽しくないプレゼン

2023年12月上旬、知り合いの紹介でコーチング?のようなプログラムを提供する会社の社長(女性/50代)とZoomで1時間程度お話しする機会がありました。

「たくやさんと是非お話ししたい!情報交換をしましょう」という内容で、うすうす感づいていましたが完全なるセールスでした笑。

こちらの職業や年齢など確認して、不自然なべた褒めをしていただいた後に、パワーポイント資料を使って自己紹介をしていただきました。
これまでの数々の有名企業をサポートしてきた素晴らしい実績や成果が伝わりましたが、私は事前にお相手のホームページを確認したので、内容は全て事前に知っていました。

お相手にもそのことは冒頭で伝えたのですが、まるでホームページを読み上げるだけのようなプレゼンをされました。

しかし、1対1のプレゼンなのでこちらはある程度の「傾聴」の姿勢をキープしないと失礼ですよね。

既に知っている内容を真剣に聞くのはとても疲れました笑。


伝わらないサービス内容

これまで数々の優良企業で売り上げや集客を改善してきたプログラムとのことで、お相手は代理店のようです。実績は伝わりましたが(HPを事前に確認したので当然ですが)、肝心のサービス内容がよくわかりません。

たまらず私は
「具体的に何をするのでしょうか?」
と声に出てしまいました。

すると出てきたのはまた別のパワーポイント資料。
そして書いてあることを初めから読み上げるプレゼンタイムが始まりました。

質問事項にだけ答えてくれたらいいのに・・・

(結論を言うと、最後まで私はプログラム内容を理解することはできませんでした。)


気持ち悪いプレゼン資料

プログラム内容のパワーポイント資料は、かなり前に作られた紙のパンフレットをスキャンして貼り付けたものでした。

それ自体は構わないのですが、文字も写真も何故か全体的に横に引き伸ばされていて非常に読みづらくてストレスかつ、プレゼン中もそればかりが気になってしまい、内容が頭に入ってきません。


地獄の質問タイム

プレゼンの中盤、「あなたの現在の満足度は何%ですか?数値でお答えください。」と、健康面や経済面など、6項目の質問がありました。

私はとっくに興味を失いつつも、最低限の傾聴の姿勢は保っていました。

「う~ん、よくわからないです~」とスルーしようと試みましたが、具体的な数値で回答するまで次に進んでくれません。

とりあえず適当に回答しました。


質問の意図

回答した数値に対して
「あなたは自分を低く見積もっていませんか?」
というページが出てきました。

そして私は
「ああ、この流れのために意地でも数値の回答が欲しかったのか」
と気付きました。


クロージング?

私が全くプレゼン内容を理解できていないこと、興味をもっていないことがわからないのか、営業マニュアルに書いてあるのか知りませんが、「たくやさんはきっと成功できます!より詳細な現状把握や目標設定のために直接お会いしたい」とのことでした。

(・・・嫌ですよ。)

あまりの展開に絶句する私の気持ちが伝わったのか、「もしご興味があれば~」で終わりました。
そして私はとても疲れました。


まるで北風と太陽の北風さん

前置きが長くて申し訳ございません。


北風のようなセールス

上記のような一方的なセールスって、童話の「北風と太陽」みたいだと感じました。

ある時、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、通りすがりの旅人の外套を脱がせることができるかという勝負をすることになった。

まず、北風が力いっぱい吹いて、旅人の外套を吹き飛ばそうとする。しかし、寒さを嫌った旅人が外套をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。

その次に、太陽が燦燦と暖かな日差しを照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から外套を脱いでしまった。こうして太陽の勝ちとなった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E9%A2%A8%E3%81%A8%E5%A4%AA%E9%99%BD

北風さんは自分の都合(コートを脱がせたい)を押し付けて、強風を浴びせます。しかし旅人はコートを脱がないどころか、もう1枚上着を着てしまいます。

先ほどお話した方も同じです。自分の提供するサービスを一方的に説明して、具体的な内容を質問をしても、別の資料を読み上げるだけ、質問の内容は資料の中盤まで出てこない・・・

そして私の心(コート)は閉ざされていく一方。


太陽のようなセールス

太陽さんは旅人をじりじりと暖め続けて、自分でコートを脱ぐように促しました。

つまり太陽さんは相手のニーズを引き出して、自分の目的(服を脱がせる=販売)を間接的に提案をしていました。

ちょっと強引な気がしますが・・・笑

先ほどのコーチング?の方は私のニーズを引き起こすために、現状の満足度を数値で回答させました。しかし、その前に私の心は固く閉ざされて、真剣に回答する気も失せていました。


衝撃の事実

突然ですが、私はVyondでビジネスアニメーションを制作しています。一応情報交換という名目なので、ビジネスアニメーションの紹介および、自己紹介や事業紹介用のアニメーション制作をご提案しましたが、即答でお断り。

サンプルアニメーションを見て頂きましたが、「実写で顔出しした方が効果があるでしょう」とバッサリ。アニメーションに全く興味がありません。

なんでこの人は私とコンタクトを取ったのだろう・・・

このときに気付いたのですがこの人、私がどんなアニメーションを制作しているかを知りませんでした。

ちょいちょい、「素晴らしい!たくやさんなら成功できます!」
と不自然なヨイショがありましたが、きっとマニュアルにでも書いてあるのでしょう。


この学びをどう活かすか

しかし、この経験からはセールスに対する多くの学びがありました。

実際のセールスは童話のようにシンプルではありませんが、太陽さんのように相手に合わせたアプローチはちょっとした心掛けであると感じました。


事前リサーチ

事前のメールのやりとりで私は、署名欄などに1分間自己紹介アニメーションや、当ブログのリンクを記載しています。

そして大半の方は1分間アニメーションだけでも目を通してくれます。

一方、コーチング?の方のメールには会社名だけが記載してあり、私は会社名でWEB検索をして相手のサービス内容を事前リサーチしました。

そのため資料を読み上げるだけのプレゼンとはいえ、同じ情報を2度も聞いたのでお相手の実績などはある程度理解することができました。

このように情報源があるなら、事前に少しでも理解を深めておきましょう。


相手のニーズを想像してみる

相手の仕事がわかったら、相手の困りごとを考えてみましょう。

例)コーチング、士業のように形の無いサービスの方なら

  • プレゼンが苦手でサービス内容が伝わらない
  • サービスにかける熱い思いを伝えたい
  • 他の人と差別化ができない

などが想像できますね。


相手の話をよく聞くこと

  • 事前確認した内容について、自分の誤解は無いか
  • HPをみて疑問に思ったこと
  • 上記で考えたニーズを照らし合わせてみる、そのような悩みが無いか率直に聞いてみる

自分の理解を相手と擦り合わせて、相互理解を深めます。


相手に合わせた提案をすること

例)コーチング業の方へVyondアニメーションを提案する

  • 事業紹介アニメーション:形の無いサービスをわかりやすく紹介する。
  • 自己紹介アニメーション:これまでの経験や開業に至る経緯のオリジナルストーリーで差別化を図る。
  • アニメーション以外の提案:もし実写動画の方が向いていると感じたなら、素直にお伝えして、専門家と繋いであげましょう。その場では失注かもしれませんが、相手との信頼関係を築くことができれば、紹介を頂くなど、中長期的にはメリットがあります。

上記を提案できれば、ただ単に「どうですか!アニメーションを作りませんか!?」と問うより遥かに相手に刺さる提案になります。


太陽さんなるには:少しでも相手のことを知ろう

冒頭のコーチング?の方は私のサービス内容も知らずに、一方的に自分の実績とサービス内容を話し、しかも理解すら得ることが出来ませんでした。

誰が相手でも同じ資料を読み上げるだけ、一言一句同じプレゼンをしていれば当然、内容が合う人と合わない人がいます。
というか、合わない人のほうが多いのではないでしょうか。

有名企業がお相手のプログラムを活用して成功したこと、名だたる経営者が愛用していたこと、ご自身もプログラムで成功して、多大な営業実績を出したこと、などの紹介がありましたが、本当にあのプレゼンでそのような実績が出たのか、疑わしいとさえ感じてしまいます。

しかし、1度でも私の制作したアニメーションを見ていれば、それに関する質問や、プログラムの活用方法に関する提案が出来ました。

そうすれば私は自然と、お相手の提供するプログラムに興味を持つことができたでしょう。

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